2杯目の天丼

今回は私の好きな価値観を紹介します。

1. 2杯目の天丼

ずいぶんと古い話だが、私が苦学生時代に、生まれて初めて一杯の天丼にありついたとき、全く世の中には、こんなウマイものがあるかと驚嘆した。(略)

後年、海外留学から帰ってきて、さっそくこの宿願の「天丼二杯」を試みた。ところが、とても食い尽くせもしなかったし、またそれほどにウマクもなかった。(略)

一杯の天丼を一杯だけ注文して舌鼓を打つところに、本当の味わいがあり、食味の快楽がある。

私の財産告白』/本多静六

 

最近、仕事などを終えて自由な時間を手に入れた時に、1本のビール缶だけを買う事があります。「スタウト」と呼ばれる黒ビールを買って、ゆっくり飲むことが多いです。

私はビール缶なら2~3缶を飲むことは出来ます。

だけど結局、ビールは「最初の1缶」が、もっと言えば「最初の一口」が一番美味しいと気づき始めました。そして飲んだ時の満足度は、口に運ぶ回数に反比例して減少していきます。

だから「最初の1」を大切にすることが、少ない犠牲で多くを手に入れられる、賢い選択なのではないかと思っています。  

2.パーキンソンの法則

第1法則:仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する

第2法則:支出の額は、収入の額に達するまで膨張する

人は無意識でいる限り、時間やお金を、あればあるだけ使い切ってしまうという心理法則です。

私の身の回りでも散見される、あるある法則です。

お金が貯まらないという人は、この法則にハマっている人がたくさんいると思います。

例えば、20万円の給料を貰ったら、そのうち5万円は、受け取ったタイミングで貯蓄用の銀行口座に入れるなどして、最初から15万円の給料だと思って生活すれば、パーキンソンの法則を回避できます。  

3.自分を満たす試み

人は2杯目の天丼に1杯目と同じ満足を得ることは出来ません。

天丼が1杯1000円だとして、お財布に2000円が入っていたとしても、財布を空にして2杯の天丼を食べようとすることは、自分を満たすという点からすると、効率が良くありません。

 

最近、いかにお金を使わず幸せになるかという事に意識して過ごしています。具体的には、自分が少しでも幸せを感じた時の状況を観察しています。

結果として、以下の状態では、特に低コストで幸せになっていました。

 

暑い外からエアコンの部屋に入った瞬間 (何度感謝したことか…エアコンを開発した人は神様だな)

寝起きに冷えた水をグイっと飲む時 (全身が喜ぶ…これより美味しい液体ってあるの?)

仕事に疲れて早めに寝床に入った翌朝 (重力が変わった…睡眠に勝る健康法ってあるの?)

平日の仕事に忙殺されて、意図的に何もしない土日 (「なにもしない」という最高に贅沢な時間の使い方)

 

四畳半の格安アパートでも、エアコンと冷蔵庫はあります。お金はないと困りますが、必要な分だけあればそれ以上は必要ないのかもしれません。

それよりも自分がどうなれば幸せと感じられるかを見つける事の方が、大切な事なのかもしれません。