登山初心者 1年目の失敗と対策

登山を始めて4年目になりました。最近はテントを背負った縦走をするなど、私の山行スタイルも変化してきました。

山登りをしていると失敗がつきものですが、山登り1年目にした失敗をご紹介します。

これから登山を始めようとしている方や、始めたばかりの方の参考になればと思います

【まとめ】失敗と対策

最初に私の登山一年目の失敗とその対策を手短に紹介します。

ハイペースすぎる(こむら返り・ヒザ痛) ⇒他人と会話できるペースで歩く ⇒山用の歩き方を学ぶ

飲用水が尽きる ⇒余裕を持った水を持つ 浄水器を持つ

下山時に日が落ちかけている ⇒朝一から登って15時には下山する ⇒明るいヘッドライトを持参する

登山後にケアをしない(翌日眠い) ⇒下山直後にアミノ酸をとる

他人に登山計画を丸投げ ⇒計画に目を通して自分に無理がないか確認 ⇒明るいヘッドライトを持参する

予定ルートから外れる ⇒現在地の確認を習慣化する

足の指が靴に当たって痛い ⇒きちんとしたショップで靴を買う

 

ハイペース・歩き方を意識しない

息切れ全開の上り

登山し始めの頃はハイペースになりがちです。

私の場合は、登山をし始めた頃の筑波山でハイペースに登りすぎ、こむら返り(ふくらはぎが攣る)を起こしました。

こむら返りを起こすと、その後30分くらいは歩行に支障が出ますし、その後も足の痛みが継続します。

 

【対策】は、肩が動くような呼吸のペースで登らないこと。

他人と会話できる位のペース(心拍数)が理想とされています。

こむら返りにはスポーツ飲料など電解質を含んだドリンクを飲むことも有効です。

八ヶ岳連峰 硫黄岳 上るペースは人それぞれ

 

ピョンピョン爆速下り

初心者は下りもハイペースになりがちです。「上り」ほど心肺への負担が少ないため、街中を走るようなペースで降りてしまうのです。

私の場合ヒザの痛みに苦しみました。ヒザ痛がつらいのは 治りが遅いことです。

私は以前 北海道の大雪山に行った際、コースタイムの50%で下山をしました。地面にある岩に着地するようにして、ステップするように下山したのです。

大雪山 跳ぶように下ったことを後日後悔することに…

 

その後、徐々にヒザの痛みがではじめ、治るのに一週間もかかりました。 今考えてもゾッとします。なぜあんな下り方をしたのかと…。

 

すぐできる【対策】は山の歩き方を学ぶことです。「ドスン!」という足音のするような下り方はNGです。

また山に何度も登って筋力をつける事 体重を落とすことも有効です。

トレッキングポールや膝サポーターの導入はその後でもよいのではないかと思います。

 

下山後に体のケアをしない

こちらはもともと運動習慣のあるかなど個人によりますが、私はまだ山登りの身体が出来ていない、山登り数回目に起こりました。

その日は日曜日の青梅(御岳山→日出山)でしたが、先のハイペース上り下りも重なって、下山後かなり疲労感が強くグッタリした状態でした。

その後、帰り際に温泉には寄ったものの、それ以外特に何もせず月曜日を迎えます。

筋肉痛が来るのは想定していましたが、問題は日中眠くて眠くて仕事にならなかった事です。

結局この状態は水曜日の朝まで続きました。夜もグッスリ寝ているにもかかわらず、日中眠いのです。そして筋肉痛の回復と共に、日中の眠気もなくなっていきました。

 

当時は山登りのペース配分が出来ておらず、終始ハイペース気味であったことが一番の要因ですが、【対策】としては下山後の早い段階(30分以内)でアミノ酸をとる事 で解決しました。

下記のアミノプロテインはこの事件以降、お守りを持つように必ず携行し、下山後に体に重い疲れを感じるときは飲むようにしています。

色々な味がありますが、レモン味が一番マシです。

1スティック100円位ですが、翌日以降への影響を考えるとアミノ酸系サプリを持参し、下山後速やかに摂取することをオススメします。

飲用水がなくなる

水をどれくらい飲むかは個人差がありますが、私は結構ガブガブ飲むタイプの人間です。

以前、埼玉の武甲山に登っていた時にそれは起こりました。

今思えば、この時も上りがハイペースすぎて無駄に水を消費していたと思います。

地図上で水場(自然から湧き出る水)がある事は知っていたのですが、この時は当てにしていたその水場が枯れていました。

何とか下山はできたものの、下山時には所持していた水は空っぽになり、飲み水がまったくない事の恐怖を感じました。

人は食べなくても何週間か生きていられますが、水がないと数日しか生き延びられません。

 

武甲山に流れる水は透明度が高く、そのまま飲みたい衝動を我慢したのを覚えています。

【対策】は色々とありますが、

  • 少し多いかなというくらいの水を持つ(下山後に500cc余るのが理想的)
  • 自然の水場は当てにしない
  • 浄水器を持つ(万一の際に川の水を飲めるように)

という感じです。私は最低でも2Lの飲用物を持つようにしています。

下記Tips (finetrack) もオススメです。 登山に必要な水の量と汗のはなし

 

なお水を運ぶなら定番ですが「プラティパス」がオススメです。

私も最初の頃はペットボトルを何本も持って行ってましたが、飲み終えた後に空ボトルたちがザックの中を占領するのが邪魔で、

使用後にたためるソフトボトルを使うようになりました。

 

また浄水器なら同じく大定番のソーヤーミニが軽くて小さくて便利です。 お守りとしてザックに入れておくのも良いですね。

 

水は飲用だけでなく、怪我をして皮膚が傷ついた時にも、患部の汚れを落とすためなどに使える物です。熱中症気味なら首などにかけて冷却にも使えます。

登山の飲用物をスポーツ飲料だけにしてしまうと、こういった事が出来ません。

水であれば余分だと思った時点で捨てることもできるので、万能な液体である「水」を余裕をもって持っていきましょう。

下山時に日が暮れかけている

「遅くとも15時までには到着してね 午後は天気崩れるから」

そう言われたのは 南アルプス仙丈ケ岳の山小屋に予約電話を入れたときでした。

「そんな早くつかなきゃいけないの?」そう思ったのを覚えています。

南アルプスの女王「仙丈ケ岳

 

この電話をしたのは登山2年目くらいのこと。

それまでは「日が暮れるまでに下山すればいいでしょ?」なんて思っていました。 18時くらいに下山する事もたびたびありました。

登山の言葉に”早出早着”という言葉がありますが、

今はこの早出早着が最も安全で効率的であると思っています。

具体的には15時には下山もしくは宿泊地に到着。百歩譲って16時。という感じです。

 

これを実現しようと思うと、朝は早くならざるを得ないですし、結果的にその方が安全・快適な登山になることが多いです。

 

なぜ、早立早着をするべきかというと…

  • 山は正午になると天候が崩れやすい
  • 下山が遅いと 行動不能になった際に暗闇に包まれ危険
  • 早朝は登山客が少なく スムーズに移動ができる

と言うところでしょうか。

八ヶ岳 午前中でも雲がどんどん上がってきます

 

偏見かもしれませんが、登山の開始時間の早さと登山経験には相関があると感じています。

朝早くから歩いている人の装備を見ると、しっかりしている人が多いと思います。

 

日帰り登山の方は、電車の方なら一番早い便で行って、15時には下山することを目指してみましょう。

早く下山すれば 混雑前の温泉に寄れたり 混雑前の電車に乗れるなど 下山後のメリットも大きいですよ。

下山後の温泉も 登山の楽しみの一つ

他人に登山計画を丸投げする

こちらは 山登りを始めて5回目以降くらいの方に 参考になればという情報です。

登山をする際には 出発前に登山計画を立てますが、登山し始めの頃に誰かと一緒に行く際に、他の人が立てた計画に乗っかる事があります。

 

私の失敗は、他の人が立てた計画について、その内容を自分で確認せずに、そのまま乗っかった結果、チーム全体が危険な状態になってしまったというものです。

具体的な話をすると、一緒に行った仲間は私よりも体力があり、一日で20km~30kmの距離を山の中で歩けるようなファストハイカーでした。

この仲間が組んでくれた登山計画は、私にとっては無理のある計画でした。その仲間が一人で歩く分には十分余裕のある計画だったと思います。

結果、何が起こったかと言うと、私のペースがその計画に対して遅く、最終的には真っ暗闇に包まれた中での下山となりました。

山は日が落ちると真っ暗です こんな道でスマホライトで片手が埋まるのは危険です

 

【対策】としては、他人から提案された計画に対して自分事として目を通し

自分に無理があると判断した際には、計画者にその心配を伝え、必要に応じてはその登山を辞退する事です。

ただ失敗あれば得る物もあり、この経験でヘッドライドの重要性を痛感しました。

もちろんヘッドライトは持参していたので装着しましたが、私のライトは100ルーメンと夜道を歩くには若干の力不足を感じ、

同行者のライトの明るさを参考に150ルーメンのライトに買い替えました。

 

「ルーメン」と言うのは明るさの単位です。

500ルーメンや1000ルーメンなどとても明るいものもありますが、ヘッドライトはただ明るければ良いモノでもなく

明るすぎると他人の目を眩ませてしまうリスクもありますし、持続時間が短くなります。 持続時間2~3時間では心もとないです。

個人的に登山用ヘッドライトを買うなら以下の点を意識します。

  • 100ルーメン超の明るさ(ただし200ルーメンもあれば充分)
  • 単4 × 3本で駆動(重さと持続時間のバランスがよい)
  • 周囲数mを照らすための暗い光モードもある
  • 小型・軽量・防水・一体型

なお同じくらい元気な電池を使うのも重要です (劣化した電池ではヘッドライトの本来性能が出ません※失敗経験あり)

ヘッドライト用の予備電池もザックに入れておきましょう。 多少高くてもPanasonicなどのきちんとしたメーカー製がオススメです。

予定と違うルートを歩いている

これは初心者に限らずベテランでも起こりうるトラブルです。

予定外のルートを歩くことは、最終的には遭難原因第一位の「道迷い」に発展する可能性があります。

 

私の場合、北海道の十勝岳の山頂でこれが起こりました。「山頂で道迷い?」と思う方もいるかもしれません。

ガスのかかった十勝岳山頂

 

そもそも道迷いをはじめとする大半のトラブルは上りではなく下りで発生します。

いくつもの登山コースを持つ山だと、それらのコースが山頂で一斉に合流します。

そして、下る時に予定と違うルートを降りてしまうのです。

 

もちろん、看板をきちんと確認していれば起こらない失敗でしたが、つい「(なんとなく)こっちだろ」という感覚で道を進んでしまう事で起こってしまいました。

この「なんとなく」が意外とやっかいです。

これは初心者だけでなく、経験豊富なベテラン登山者でも起こるといわれており、むしろベテランになるほど経験に基づく慢心から起こりやすいといわれるくらいです。

私は道を外れるのが絶対的に悪いのではなく、道を外れたことに早く気づき、予定ルートに復帰するのが大事だと思っています。

というのは、登山道には常に丁寧な看板があるわけではなく、ルート外れは避けきれないと思っているからです。

 

具体的な【対策】ですが、定期的に(特に分岐では)現在地確認を行うのを習慣化するです。

最近だとスマホに入れられるYAMAPなどのアプリがありますので、

事前にスマホに地図を落としておいて、定期的に現在地確認をするのが良いと思います。

YAMAP

個人的に登山はビビっているくらいがちょうど良いと思っており、山の書籍などを読むとこの感覚はズレていないのかと思っています。

足の指が靴に当たって痛い

「登山靴に指が当たって痛い」は特に靴のソール(底)が変形する下山時に起こります。

原因は靴が合っていないことです。

私の登山1~2年目は靴との闘いだったと言っても過言ではありません。

 

下山時に靴ひもをしっかり結んでみたり、歩き方を工夫したりしてみましたが、いっこうにつま先が靴に当たるのトラブルは解消しませんでした。

靴は安い物ではないので、金銭的な意味で失敗を認めなくない事の一つです。

しかし、合わない靴は登山そのものを嫌いにさせるほどの力を持ちます。

数回使って手放したキャラバン 捨てずに受け手が見つかったのは幸い

 

さて、具体的にどのように私が失敗し、どのように克服したがです。

結論から言うと「靴選びは店選び」です。

私が最初にかったキャラバンの靴は、新宿にある複数のアウトドアショップが、小さいブースごとに集まったような店舗で購入しました。

店員さんは私の靴のフィッティングを見てはくれましたが「登山靴には捨て寸が要るので、つま先に指を詰めて、かかとに指2本分のスペースが空くのがポイントですよ」というようなアドバイスでした。

この店員さんの言っている事は間違いではありませんが、このレベルの接客(フィッティング)の店で登山靴を買ってはいけません。

 

その後、私はきちんと靴のフィッティングをしてくれる店探しを始め、

最終的に東京の神田にある さかいやスポーツ シューズ館 にて登山靴を購入。

数年たった今でも テント泊登山の際に履いている相棒になりました。

甲広な私にはEEE(横サイズ)のSIRIOが合いました

 

さて、私の経験上 靴選びをするうえで問題なさそうなアウトドアショップは、

きちんと足の計測台を持っており、経験豊富な店員さんの多い以下です。

これらの店舗でもスタッフの経験値や、靴に対する熱意で接客は変わってきますが、大枠外さないと思います。

なおmont-bellは経験豊富な店員が多いですが、基本的にmont-bell製の靴しか扱っていないので、靴の型的にどうしても合わない可能性があります。

そう考えると複数ブランドを扱っている、さかいやスポーツや石井スポーツなどのショップが良さそうです。

ちなみに、靴のフィッティングと同じことが、ザックにも言えるかと思います。

 

個人的に考える 登山靴を検討すべきショップの条件は

  • 足のサイズを測るための計測台がある
  • フィッティング用に岩などを模した土台がある
  • 「靴下」の話を店員さんからしてくれる
  • 接客に時間をかけてくれる
  • 足のサイズは縦・横・厚の3Dであると知っている

と言う感じでしょうか。

 

ちなみに、靴を買う側のマインドとしては、登山靴の見た目やブランド名を意識したくなりますが、幸せになりたいならフィッティングを優先してください。

金額が高いからと言う理由で、足に合わない靴を選ぶのもナンセンスです。

登山靴と言うと以下のような革製のモノに憧れがちですが、こういった靴は重く、値段も高く、想定している使用環境も登山初心者が登る山とは異なるので、見た目に飛びつくと失敗します。

ついでにいうと「靴下」も重要なギアなので、妥協せずに靴に合わせて納得した物を買ってください。予算は3000円~4000円くらいですかね。