【ウイスキーってマズくない?】ウイスキーを美味しく飲むために知るべき3つの事
最近ウイスキーが流行ってるから飲んでみたけど、マズくてまったく美味しさが分からない。
喜んでウイスキーを飲んでいる人間の気が知れない。
こんなウイスキーに苦手意識のある方に、ウイスキーを美味しく飲むためのポイント3つを紹介します。
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- 後天的知覚について
- ウイスキーの飲み方(4つ) 2.1 ハイボール(ソーダ割) 2.2 トワイスアップ 2.3 ロック(オン・ザ・ロック) 2.3 ストレート(ニート)
- ウイスキーの選び方 3.1ブレンデッドウイスキー 3.2シングルモルトウイスキー
- 最後に(まとめ)
1.「ウイスキーは経験で味わう」後天的知覚について
いきなりですが質問です。
あなたは初めてコーヒーを飲んだ時、初めてビールを飲んだ時、美味しいと思いましたか?
おそらくまずいと思ったはずです。コーヒーは苦くてまずいし、ビールも酸っぱいような苦いような味がして美味しくないっ!
でも、大人になった今はどうですか? 多くの方がコーヒーもビールも美味しく飲んでいるではないでしょうか?
もともとマズいと思っていたのに、いつからか美味しいと感じるようになった。
これはあなたの味に関する経験値が一定ラインを越えたからです。
こういったものを後天的知覚(アクワイアードテイスト Acquired Taste)といいます。
ウイスキーを美味しいと感じるにもこの後天的知覚が必要です。
もしウイスキーを飲んでその時に「美味しくない」と思っても、「もしかしら、まだ自分が好きと感じるレベルに至っていないだけかも」と一度疑ってみて欲しいのです。
ちなみにこの後天的知覚を得るために必要なのは、お酒やウイスキーに限らず、普段触れるモノに対していかに”五感を駆使して感じ取ろう”としているかがポイントだと思っています。
例えば、匂いのキツイ食べ物の代表に「クサヤ」がありますが、もし目の前に焼いたクサヤがあった時に、臭いと知っていても、おそるおそるその匂いを感じてみようという探求心があるか、あるいは、頑張って口に運んでみる勇気があるかという事です。
私はウイスキーを飲んでいても、エキスパートが感じ取れる、細かな味や香りを感じとれません。「アーモンドの香り?このウイスキーのどこに??」という感じです。でも、レベルアップしたら、いつか自分にも感じ取れる日が来ると信じて日々ウイスキーを楽しんでいます。
2.ウイスキーの飲み方(4つ)
「ウイスキーがマズい」と感じている人の飲み方をみていると、問題のある飲み方を度々見かけます。
例えば、テキーラのショットグラスを空けるかのように、ストレートのウイスキーをガッと勢いよく一気に飲み干してしまうケース。もったいない飲み方だな~と思ってしまいます。
ここではウイスキーの飲み方について紹介します。
ウイスキーの飲み方
一般的にウイスキーというと、ウイスキーをそのまま飲む「ストレート」をイメージされる方が多いですが、初心者にはオススメできません。理由はストレートでは度数が高すぎるからです。
ウイスキーのアルコール度数は40度前後ありますが、強いアルコールに慣れていない人がいきなりこんなお酒を飲んだら、抵抗感がでるのは当然です。薄めて度数を落としてウイスキーを楽しむ事から始めましょう。以下ではアルコール度数が低い順番に飲み方を紹介していきます。
いわゆるハイボールです。厳密にはソーダ割と呼びたいですが細かい話は置いておいて…
ウイスキーに馴染みのない方が出会う場所は居酒屋などの飲み屋かと思います。
ハイボールの良い所は、強いアルコールが苦手な人にも飲みやすい点と色々な料理に合わせやすい点かと思います。ソーダのもたらす爽快感も魅力で、夏の暑い日なんてハイボールは良いですよね。
ウイスキーに慣れていくには、まずこのハイボールを居酒屋などで積極的に飲んでみるのが良いと思います。
ハイボールと一言にいっても、ベースとなっているウイスキーによって、味も香りも変わってきます。よくあるモノだとサントリーの角ハイボール。主張しない「角」の謙虚さが、飲み手の抵抗感をなくし、一緒に食べる食事をひきたてます。
あとは、ジャックダニエルハイボールもよく見ます。ジャックダニエルは、アメリカのバーボンウイスキー(厳密にはテネシーウイスキー)の一種で、トウモロコシを主原料とするウイスキーです。謙虚で優しい「角」と比べると、キャラクターの強さを感じられると思います。具体的にはバニラの香りやセメダインのような香りという感じでしょうか。
この2種類に限らずデュワーズだったり、知多だったり、飲み屋によって様々なハイボールがあるので、ベースになっているウイスキーを意識しながら、色々なハイボールにチャレンジしてみると、視野が広がってウイスキーをもっと身近に感じられるようになりますよ。 ・トワイスアップ
とわいすあっぷ??聞きなれない言葉かもしれませんが、シンプルな飲み方です。原液のウイスキー1に対して常温水1で割る飲み方です。ウイスキー:水(常温)=1:1という割り方ですね。40度ある原液のウイスキーを2倍に薄めるので、20度前後の度数に下がって飲みやすくなります。ウイスキーの味や香りを最も感じられる飲み方といわれており、ウイスキーを作るブレンダーもトワイスアップでテイスティングをするといわれます。居酒屋よりもバーの方が似合う飲み方ですね。
個人的には常温水というのが肝だと思います。冷水で割ると、液体の温度が下がって味や香りを感じにくくなってしまうんですよね。「冷えたコーラは美味しいけど、温まったコーラは甘すぎる」のと一緒で、冷たい温度だと私たちの味覚って機能しにくいんですよね。
あと都会住まいの方は、自宅で飲むときは水道水じゃなくてミネラルウォーターを使ってくださいね。硬すぎない水(コントレックスやエビアンではない)がオススメです。
また「トワイスアップ」には、こんな形のテイスティンググラスがあるとなお良いです。無ければワイングラスでも代用が効くかと思います。
・ロック(オン・ザ・ロックス)
「ウイスキーをロックで」というとピンとくる方もいるのではないでしょうか。ロックは原液のウイスキーが入ったロックグラスに氷を入れる飲み方です。
先ほどの「トワイスアップ」で冷えると味や香りを感じにくくなると書きましたが、ウイスキーに苦手意識のある方だとロックにすればむしろ飲みやすくなるというメリットがあるかと思います。
あとはロックってなんかカッコいいですよね(笑)ちなみにお酒に強くない人は、ロックでもチェイサー(口直しの水など)をつけた方が良いですよ。
ロックという飲み方の良さはアルコール度数の変化にあると思います。飲み始めはストレートに近く、しだいに氷が解けて薄まっていき味や香りが変化していく事が面白さだと思います。
もし自宅でロックにするときは、売っている氷を買うのがオススメです(コンビニなどで売ってる100円の氷でOKです)。 ・ストレート(ニート)
最後にストレートです。瓶から出したウイスキーをそのまま楽しむ飲み方です。40度近い度数のアルコールをそのまま体に入れるので刺激があります。口や喉もピリピリしやすいですし、香りをかぎすぎると、鼻の奥の方が一時的に痺れたようになります。
ただし、身体が慣れればやはりストレートは味が濃くて美味しいです。度数が強いのでチェイサーを用意して、ストレートと水を交互に飲むようにします。
ストレートでは、少量を口に含んでゆっくり飲むようにしましょう。ちなみに私はチェイサーの水はガブガブ飲みます。痺れた口や鼻を回復させたり、深酔いしないように。
飲み方としてはじめに「ストレート」で飲んで、その後「トワイスアップ」や「ロック」に移行できるというのも良い点ですね。トワイスアップ同様、チューリップのような形のテイスティンググラスがあるとベターです。
4種類の飲み方を紹介しました。ウイスキーに苦手意識のある方はハイボールから試してもらい、徐々に興味が出てきたら他の飲み方にもチェレンジしてもらえればと思います。
またよく「ウイスキーはストレートだ。ハイボールは邪道だ」というような考えをお持ちの方もいますが、個人的にはウイスキーはどんな飲み方でもいいと思っています。なぜならお酒は人生を楽しむための嗜好品ですから。好きに飲んだらいいんです。
3.ウイスキーの選び方
ウイスキーに苦手意識をもってしまう原因の一つに、始めにどんなウイスキーをどんな飲み方で飲んだかという事があげられます。ここではウイスキー初心者の方が実際にウイスキーのボトルで買ってみる事を想定して、どんなウイスキーがオススメかを紹介します。
ウイスキーといっても、何千種類もあると言われており、最初にどれを飲んでみたら良いのかが分からないと思います。ウイスキーの分類の仕方はたくさんありますが、とりあえず以下の2つだけ覚えておけば良いと思います。
シングルモルトウイスキーというのは大麦麦芽(モルト)のみを原料として作られたウイスキーです。一つの蒸留所(ウイスキーを作る工場)から作られたウイスキーのみで作られるので「シングル」という言葉がつきます。
ブレンデッドウイスキーは、先ほどのシングルモルトを含めた様々なウイスキーを調合してバランスをとったウイスキーです。ブレンダーという「人間が作り上げた」ウイスキーですね。
この2つはよく音楽に例えられ、シングルモルトがソロ(独奏者)でブレンデッドがオーケストラなどと言われます。ウイスキーの個性が出やすいのがシングルモルト、味や香りのバランスがとれているのがブレンデッドですね。
さて大まかな違いが分かったところで、どちらを薦めるかと言えば、ずばりブレンデッドウイスキーです。シングルモルトは選ぶ銘柄によって印象がガラッと変わってしまうのに対して、ブレンデッドはどれを飲んでも安定した美味しさを楽しむことが出来ます。
具体的にはまずバランタイン 12年というブレンデッドウイスキーをオススメします。
理由は、同じ価格帯のブレンデッドの中でも、とりわけバランスが取られていてカドがなく、ハチミツのような甘さがあって飲みやすいからです。お値段もスーパーなどで2000円前後で買えるので手が出しやすい銘柄かと思います。
ちなみに、同じバランタインでも1000円前後で買えるファイネストがあり、これはこれで美味しいのですが、熟成年数が若くストレートなどで飲むと口のなかがピリピリしやすいので、初心者が買う場合(とくにストレートで飲む場合)には熟成年数が10年以上の物を選んでおくのがオススメです。
シーバスリーガル ミズナラ 12年もおすすめです。
ミズナラという日本固有の木材で作った樽から作られたウイスキーで、こちらも大変飲みやすく人を選ばない逸品です。お値段は3500円前後。ちなみに通常のシーバスリーガル12年(エンジ色)より、こちらのミズナラ(青緑)の方が刺激が少なくおすすめです。
最後にトウモロコシが主原料のバーボンウイスキー「I.W.ハーパー」もチャレンジする価値アリかと思います。
バーボン特有の味や香りがあり、先の2つに比べると個性が強いですが、バーボンの中では初心者でも飲みやすく、視野を広げるという意味でもおすすめです。ストレートやロックでも美味しいですが、ハイボールがすごく美味しいウイスキーです。お値段は2000円前後。
以上特におすすめのブレンデッド3つを紹介しました。ちなみに、ハイボールにして飲むのであれば、飲んだ時のアルコールのピリピリ感の心配がなくなるので、どんなブレンデッドウイスキーでも抵抗感は少ないと思います。
さて一方のシングルモルトウイスキーですが、先ほど「ソロ演奏者なので個性が出やすい」と言いましたが、優しい演奏者であれば個性も優しくなりますので、いくつか紹介します。
シングルモルトのオリジン(起源)と言われる歴史あるシングルモルトです。リンゴ系の爽やかな香りとほどよい甘さがあり、比較的スッキリした味わいのウイスキーです。お値段は3500円前後。このウイスキーが持っているストーリも面白いです。なぜ頭に「ザ」が付くのかなどを調べてみるのも面白いですよ。
先のグレンリベットと双璧をなすシングルモルト界の重鎮。こちらもリンゴのような香りと甘さがありますが、スッキリというよりまろやかという印象です。このウイスキーを作っているウィリアム・グラント家の話なども面白いですね。お値段は3000円前後というところ。
初心者向けのシングルモルトだと他にも「マッカラン 12年」などもおすすめですが、最近値段が高騰しているので積極的には紹介しませんでした。お財布に余裕のある方はチャレンジしてみてください。
4.最後に(まとめ)
以上、ウイスキーに抵抗感のある方にお伝えしたいことを3つ紹介しました。
振り返ると、
1.後天的知覚(アクワイアードテイスト)
→ウイスキーは経験を積む中で好きになっていくお酒なので、最初マズく感じるのは当然。でもいつか花開くので、気長に付き合ってほしい。
2.飲み方
ハイボール、トワイスアップ、ロック、ストレートという4つの飲み方を紹介。 いきなりストレートは抵抗感が出るかもしれないので、まず色々なハイボールを飲んでみる。
3.選び方
ブレンデッドウイスキーを選ぶのがオススメ。「バランタイン12年」など。 シングルモルトウイスキーでも「グレンリベット」や「グレンフィディック」ならおすすめ。
となります。今回お伝えした情報で、今後のあなたのウイスキーへの見方や接し方がプラスに変わればと嬉しいです。
以上ご覧いただきありがとうございました!